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4月, 2022の投稿を表示しています

輪渡颯介 著 古道具屋 皆塵堂 05 祟り婿/06 影憑き

本作も、5作目のあとがきで作者自身が「怪談です」とただし書をするほど面白い「怪談本」です。 作者自身、こんな作品を書いておきながら幽霊「懐疑派」だとハッキリ書いてるところに、この作品の面白さがあるのではないかと思ってます。 このシリーズも7作で終わりとのことですが、別のシリーズでは猫ではなく犬も出てくるらしいです。 今回は今までの作品とは少し毛色の変わった内容で、幽霊否定派の登場人物を中心にして物語が進んでいきます。 まぁ、いつもながらこれまで登場してきた人達が、優しく?見守りながらと言う流れでもありますが。 気になる方は是非一度手にとってみては如何でしょう。

輪渡颯介 著 蔵盗み/迎え猫 古道具屋 皆塵堂

 1作目より2作目、そんなふうに作目を重ねるごとに段々面白くなっていく一品です。 舞台は曰く付きの物を買い、そして売っている古物商「皆塵堂」とそこの主人。 1作目は皆塵堂の主人と小僧、そしてそこに預けられた別の古物商の跡取り息子である太一郎を主体に物語は進んでいきます。 各作品で登場する主要人物は、その後の作品にも何らかの形で要となて関わっていき、怪談のはずなのに何だかんだでハッピーエンドでしめられ、後味がスッキリして結構面白い作品です。 4作目「迎え猫」に記された作者の後書きを読むと「怪談で読者を怖がらせる」つもりで書き始めた作品が、途中から変わっていくとの事なので、感想としては間違ってはいなかったようです。 このシリーズは、実はたまたま書店で他の著者の作品と「間違って?」購入したのですが、読んでみると結構面白くて、知らず知らずのうちに同シリーズを買い求めるようになりました。 怪談なのに、なんか穏やかになれるのですよねぇ。

池波正太郎 著 雲霧仁左衛門 前編・後編

言わずと知れた、池波正太郎先生の逸品です。 昭和57年に文庫版の初版が出たそうです。 その前にハード版が出ている事からすると、書かれた時代はそう古くはなさそうなのですが、言葉などは新仮名遣いになっていたり、漢字もかなり平仮名に変えてあったりするため、若干の違和感を感じる事もありました。 作品と解説を読んで思うのは、「人間の魅力を描いている」これに尽きると思います。 現代社会は、差別や◯◯ハラスメントと、人は平等であり、互いに優しく寄り添い生きることが大切だと声高に叫ばれてはいるものの、実際のところその言葉に血は通っているのだろうか?と首を傾げるような事ばかりな気がします。 たしかにそれは大切だとは思いますが、言葉ばかりが先行して、実際には小狡い人間が、それらの言葉を利用して、正直に生きる人間を「騙し」「蹴落とし」「陥れ」ながら、ヌクヌクと生きる人が多いような気がするのです。

宇江佐真理 著 寂しい写楽

 写楽を題材、主人公にした作品かと思いきや、写楽が描く画を中心に、同じ時代に活躍した読本や黄表紙の書き手、そして絵師と蔦屋重三郎の心の世界を描いた逸品です。 写楽が絡むとミステリーと捉える方も多いようですし、巻末の解説の方もそう捉えていらっしゃいました。 しかし私は、彼等が生きた時代とその時代を背負って彼等が生み出した優れた作品、そしてこれらを生み出す中で抱え噴き出す心の塊と交差が深く描かれた作品ではないかと思いました。 読み始めてすぐ、この作品はどこに向かっていくのだろう。この作品は誰が書いたんだっけ? そう思い始めた頃、宇江佐さんの世界観が広がりだします。 実はこの作品を半分程度まで読んだ頃、たまたまTVで別の方の映像作品を目にしたため、この作品を早く読み終わってそちらの原作を読まなければ、そんなふうにも考えていたのです。 しかし後半から終盤に向かうにつれ、作品の中に「どっぷり」と浸かって抜け出せなくなっていた自分がいました。 まぁ、面白いと感じるところは人それぞれですので…。

今野敏 著 軌跡

  2014年初版の文庫ですが、今野敏先生の初期作品が詰まった良作です。 デビューまもない頃の作品や、時代に翻弄されながらも必死に綴られた作品は、末端の読者である私がみても、迷いながら綴った事が読んで取れるくらい拙さが伝わってきます。 今の今野作品を知る読者には、あそこに続いていく過程がすごく楽しみなのではないかと思います。だから面白いか?そう言われると「う〜ん」と唸ってしまう部分もないことはないのですが、「これを書いた方が、こんな風に大きなスケールの作品を描くようになるのか」と... 今、さまざまなSNSやネットの世界では、短所だけを垣間見て極端な意見を声高に吠える人の声がおおきくとりあげられる変な風潮がありますが、それは彼らだけが悪いのではなく、そのような風潮に育ててきた親の世代に大きな責任があるのではないかと私は思います。 製造や研究の世界も同じように、目先だけしか見えない二流、三流の◯系ダメ人間に道を閉ざされ、国内の優秀な方々がどんどん日本を離れて海外で活躍している世の中を見ていると、ここにもこの悪い影響が繋がっているのではないかと思えて仕方ありません。 もう少しモノやコトを創るヒトやその才能を、大切にできる日本に変わっていけるとこの国の未来も少しだけ明るい方向に向かうのではないかと思います。 あぁ、また駄文だ!

手ぶらでバーベキューに参加させていただきました

 大道さんにTAC( 天王寺アップルクラブ )のメンバーに加えていただき、これまでWebでの定例会に何度か参加させていただいておりましたが、このご時世になる前にお会いしたことのある数名の方以外は、リモートでお会いしたことのない方ばかりでした。 まぁ、そもそも東京の本社に異動してから、出張もほぼ皆無に近い状態のため、プライベートで人とお会いする機会は、何かのイベントに参加させていただいた際に限られておりました。 これらは全て業務時間外でのおつきあいになりますので、利害関係もほぼなく、唯一と言って良いくらい楽しみな時間と出会いでもあったわけですが、COVID-19の影響でそれも叶わなくなってしまい、オフィスに行くストレスが激減するとともに、楽しみも激減してしまい、かなりのストレスに見舞われていたようで、今回お誘いいただいた時、何も考えずに「OK」していました。 今回、このTACの関東支部の芝さんにお声がけいただき、 電器屋Walker のパーソナリティのひとりでもあるタイジ君、ひまちゃんと共に、相模原の奥地?にある「 青野原野呂ロッジ 」に行ったのですが、私以外のメンバーは、皆さんソロキャンの準備万端で現地にお泊まりになられました。 当日の青野原野呂ロッジは満員でした 元々田舎で育ち、以前は仕事柄山の中に入ることも少なくなかった私からすれば、日々数十階建てのビルに囲まれた都会の景色よりも、こちらの方が馴染みますねぇ。 話があちこち飛びますが、実は芝さん以外の「タイジ君」と「ひまちゃん」には、今回初めてリアルにお会いしました。と言っても、タイジ君はTwitterを始めた頃からのお付き合いになりますので、もう十数年になりますし、ひまちゃんはTAC定例会でお話しするようになって初めての「リアルひまちゃん」です。しかしそこはネットの世界の面白いところ、待ち合わせ場所でバラバラに集まったにも関わらず、タイジ君は少し離れた場所にいた私に気がついてくださり、手を振って合図してくれたので助かりました。 芝さんも合流して買い出し、そしてすぐに現地へ出発。 我が家のクルマは10年選手なうえに、ナビの更新もしていないので、日々変わっていく関東の道路には全くついてゆけず、自宅から待合場所、そして現地までのナビゲーションはiPhoneのGoogle Mapに頼り切りでした。iPhoneにamb