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1月, 2022の投稿を表示しています

佐々木裕一 著 若君の覚悟 公家武者 信平(八)

 帝をたてると称して倒幕を企む者達が次々と策略を巡らし、そこに主人公らが巻き込まれていくという流れ。 と言うか、いつの世も頭でっかちな御山の大将達って、どうして自身は動かず益だけを得ようとするんでしょうねぇ。 そういう意味では、自身も戦地に赴き陣頭指揮を執る悪役の方が悪いことをしているとはいえマトモに見えるのだから、世の中は歪んでいるのかも知れませんねぇ。

佐々木裕一 著 帝の刀匠 公家武者 信平(七)

 サラサラと流れるような清流のような筆遣いの中に、エンターテイメント性とラノベ感いっぱいのシリーズ第七巻。 シーズン1では主人公とのちに嫁入りする姫との恋物語が中心でしたが、今シーズンは二人の間に生まれ育った若者を中心に話が進むのかと思いきや、まだまだ親となった主人公を物語の中心に進む気配を見せているところがなかなか奥深い。 心を軽くして読むことができるこのシリーズは、イケメン好きな若い方にも受け入れられやすいのではないかと。 しばらくの間、平日はアマプラで見つけた面白い海外ドラマと、鈍器になり得るTEC系の手引き書にどっぷり浸かることになりそうなので、小説に向かう歩みは少し遅くなりそう。 いずれにせよ、ドラマはともかく解説やソースコードという文字に取り憑かれながら、日々を過ごすことになりそうな気がしています。

佐々木裕一 著 赤い刀身 公家武者 信平(六)

 非常に分かりやすく、そしてエンタメっぽくラノベチックな時代小説を、数多く手掛けられるイメージの作家さんです。 読んだ後にふんわりとした微風のような味のあるこのシリーズも、2シーズン目の山場に差しかかり、ますます面白くなってきています。 というか、過去の作品を後追いで読んでいるので、すでに十一巻まで出ており、書き下ろしの特別編まで出ているようです。 最近は、小説を文字としての作品を読まず、お忙しい方はオーディオブックで済ます方も多いようですし、そもそも文字としての原作を知らずに漫画で出版されているものを手に取る方もいらっしゃるとのこと。 それはそれで否定はしませんが、自分の五感を投じてその作品を文字から読み取り、そして想像し、その作品に入り込むことで日々の暮らしから離れるということを楽しみとしている者からすると、何か寂しいような。 しかしまぁ、楽しみ方は人それぞれですし、識字率が上がったとはいえ、今も難読の方が数多くいらっしゃることからすると、多少は仕方ないことなんでしょうねぇ。

和久田正明 著 月夜の鴉 死なない男・同心野火陣内

この方は、TV時代劇の脚本を数多く手がけ、現在は時代小説の執筆に専念している。 だからなのか、内容が昔のTVっぽくて軽くサラリと読めるのは。 例えるとハングマンやTVの方の必殺シリーズあたりのイメージですね。 あとにネチっとしたモノが何も残らない、昭和のイケイケな感じが好きですねぇ。 あぁ、別に昭和が好きな訳ではありません。 過ぎ去りし日は楽しかった思い出だけでよくて、いつまでも浸っているべきではないと思っています。 日々未来に向かって勉強しなければ(実はなかなかできてない...

室の梅 おろく医者覚え帖

 本書は、1998年8月に刊行された検死と探索を題材にした作品である。 2001年9月には単行本が出版され、2007年には16刷が発行されたところから見ると、かなり売れた作品ではないかと思われる。 そりゃそうだ、宇江佐真理センセの作品ですから。 新井白石や平賀源内が生きていた当時(江戸時代)の記録に、検死のために医者が同行したと記されているような記録はないとのことだが、もしかするとこの作品のように、医者が同行したこともあったのではないか、そうあってもおかしくはないと思うくらい、当時の役人による検死記録は詳細に残っていたりするらしい。 そんなことはイイとして、この作品は面白く書かれている中に、人の生から死までを通し、かなり考えさせられると思わされる記述が多い。 単なる小説じゃん、といえばそれまでだが、人が生まれるまで、そして死を通じて、色々思わない方がおかしいのではないかと思う。 当時とは違い、今はかなり医療が発達してはいるが、その医療を受けられない人が数多くいる日本の現状に、なんとなく当時の暮らしと今の日本になんら違いはないのではないかと思わされてしまう。

macのFinderで隠しファイルや隠しフォルダを表示する

 コンピューターの世界には、一般のユーザーには見えない方が良いファイルやフォルダがあったりします。 これは、ユーザーが触ることによって思わぬトラブルが起きることを防ぐためでもあります。 Windowsでもmacでもこれは同じで、デフォルトでファイルの拡張子さえ表示しなくなって久しいですね。 しかし普通にドキュメントを書いたりアプリケーションを使う分には、全く問題ないこの仕様も、細かいところに手を入れたい場合や、「これって実際どうなってんだっけ?」と設定を確認したい場合、それに普通のユーザーには見せたくはないけどトラブルを解決するためには表示してみた方が良い場合には、これら「隠しファイル」なるものを一時的に表示させることがあります。 Windowsの場合はGUIで設定できたりすることが多いのですが、macの場合、コマンドを叩くことになります。(というか覚えればこの方が簡単) 隠しファイル/フォルダを表示させる(defaultsコマンドを実行する) まず、ターミナルを起動します。 そしてコマンド画面でプロンプト($)が表示された状態で、以下のコマンドを入力して実行します。 $ defaults write com.apple.finder AppleShowAllFiles TRUE ファインダーに設定を反映させる 上記のコマンドを実行したら、今度はこれをmacの画面に反映させるために、以下のコマンドを実行してFinderのプロセスを一旦終了させます。 $ killall Finder 隠しファイルを必要とする作業を終了したら、今度は再度隠しファイルを表示されないように、以下のコマンドを実施して設定を戻します。  隠しファイル/フォルダを非表示にする(defaultsコマンドを実行する) $ defaults write com.apple.finder AppleShowAllFiles FALSE  ファインダーに設定を反映させる $ killall Finder 私自身、普段自分が使用しているmacたちを細かくイジることはないし、トラブルは避けたいので、使いません。ということで忘れっぽい自分自身のメモがわり(笑)。 

稲葉稔 著 親子の絆 研ぎ師人情始末(十)

 熊本出身の、なかなか面白い作品を生み出される稲葉先生の安定したシリーズ物、第十弾。 このシリーズの中で、近所に越してきた綺麗な女性と知り合い、そして夫婦になって幸せな暮らすってなかなか素敵じゃないですか、そしていつものように、従兄弟に頼まれて市中で起きた探索を手伝うという流れです。 本当に、こういうサラリと楽しく読める作品は良きかな。

佐藤雅美 著 男嫌いの姉と妹 町医北村宗哲

 2006年に単行本が刊行され、本書はそのシリーズ第4弾であり完結編となる。 ヤクザな内容でありながら、町医と記されていることから当時の医療に関する事情について調べ上げ、それがまたも惜しげもなく盛り込まれている。 江戸時代から幕末にかけて、海外の優れた医療技術である蘭方が流れ込んできたことは、小中学校で習う歴史でも習うが、内科に関しては、漢方の方がこれまで蓄積されてきた見立てや治療実績の高さから優れていたのではないかとも記されている。 後年、技術が進み、いわゆる蘭方に追い抜かれることにはなるが、現代医療の中でも身体への負担が少ないことなどから、実績のある漢方が見直され用いられることも増えている。 まぁ、本書を通じてそんなことがスッと頭の片隅に入り込んでくる。 この先生の作品はどれも、そのように知らず知らずのうちに作者が調べ上げた知識が惜しげもなく作中に盛り込まれ、それが読者に抵抗なく入り込む凄さがある。 まだ読んでいない作品がいくつもあるが、先生は既にお亡くなりになられているため、残りも大切に読んでいきたい。 年を跨いで、また良作をひとつ読み終えてしまうのは、嬉しいやら寂しいやら。