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5月, 2022の投稿を表示しています

稲葉稔 著 圓朝謎語り

 TVドラマの脚本などを手がけられていた、熊本出身の稲葉稔先生の力作です。 「これどっかで読んだことあったかなぁ」と思いながら買ったことすら忘れていて、読みはじめも「やっぱどっかで読んだことありそうだけど全く思い出せん」とモヤモヤしながら読み進めていました。 中盤を過ぎる頃から「一気に惹き込まれます」。物語の面白さや物語を創り上げていくのはこんなことも必要なのか、いや苦労するなぁ、そう思いつつもどんどん作品の世界に堕ちていきます。 この物語の中では、圓朝師匠が「牡丹灯籠」を創りあげていく過程が物語の「核」になっていますが、実際に起きたことや伝えられていることが織り込まれているとのことで、「なるほどなぁ」と...。 で最終的に今まで自分が記憶している「牡丹灯籠」は半分程度の内容しかないのかと知らされ、どこかでちゃんとこの「牡丹灯籠」を読んだり観たりしてみたいと思った次第です。 いやぁ、巻末の解説にも書かれていましたが、これは力作ですねぇ。

今野敏 著 膠着

 あの「隠蔽捜査」を生み出した今野敏先生の逸品です。 決して悪い意味ではなく良い意味でどこか日本の昭和臭が漂う内容です。 最近は、同先生の原作をTVドラマドラマ化したものが数多く放送されていますが、どれも皆同じ顔ぶれなので、全く観る気が起きないのですが。 違いがわからない脚本とTV局に大きな原因があるような気がしますが、そのあたりは受け手にも問題があるからそうなってしまったとも思えなくもないですねぇ。

浅田次郎 著 一路(上/下)

  TVドラマ化されたり、主人公らが歩いた道のりを辿る特番まで放映された作品です。 といっても、当時この番組を観た記憶はありませんので、機会があれば映像作品も観たいと思わせるくらい、原作は面白い作品でした。 主人公の一路は江戸育ちで、家業について何も教えてもらう間も無く親が亡くなり、いきなりその勤めにつき奮闘する...とまぁ、非常に簡単にすると面白くも何もないように思えますが、読んでみるとこれがなかなか(笑)。 たまたま古書店でみかけて、たまたま手に取ってみたら面白そうな気がしたので購入したのですが、長いこと自炊した積読フォルダの中に埋もれて忘れていました。 江戸末期の史実を織り交ぜながら、虚構の世界を作り上げられた作品というものは、作者が考えた頭の中の世界に引き込まれることになるため、面白い作品に当たると幸せな気分になれる気がしています。 機会があれば、この方の他の作品も読んでみたいと思わせるってすごいですよねぇ。

QUADERNO A5 (Gen. 2)

  COVID-19により自宅が主な勤務場所になってから丸2年が過ぎ、巷ではそろそろオフィスに戻りたい族が街に大手を振って這い出てき始めました。 いや、別にオフィスに出る事を悪く言うつもりはありませんし、ウチの職場もさまざまな経済活動も、外に出て行ったり各拠点で勤務している人達が頑張ってくれているからこそ成り立っているのですから、外に出ることが悪いことではないのは確かですが、特にオフィスに行ってまですることではない事を出て行く方がウヨウヨし始めたのは「何だかなぁ」感がですね。 そんな在宅メインの勤務を始めてから、一つ大きく変わったことがあります。 それはノートやメモを紙に書かなくなった事です。 いやこれまでもPCや電話を使って仕事をすることがメインだったため、あまり紙を利用することはなく、メモというよりも大きめの付箋に書く程度で、ノートは思考を整理する際にしか使うことはありませんでした。 しかし、そろそろオフィスに出ていくことも増え始め、今後オフィスの縮小を行う予定だということも分かり、オフィスに置いていた自分の荷物や紙媒体の物を整理する必要が出てきたのです。 これによりこれまで以上にオフィスにモノを置くスペースが少なくなり、これまで通り?在宅メインの勤務が進んでいくことが分かってきました。 そうなると通勤する際の持ち物を考え直す必要が出てきます。 以前一度、私の職場はフリーデスクと呼ばれる環境ではあったのですが、私が異動してきた部署は仕事柄固定席になっていました。その後オフィスが移転した後全ての席が固定席となり今に至る訳ですが、今後オフィスの縮小と同時にフリーデスク、可能であればいわゆるABW(Activity Based Working)を目指すようですので(私もそこに加担するのですが)、オッさんとしては率先して持ち物を減らす必要があります。 これまでオフィスに置きっ放しでも良かった物は「いつでも持ち歩ける」スタイルにしなければ仕事に支障が出ることもあると思われるため、これを機会にペン一本から見直すことにしました。 しかし実は東京に移動してくる前の拠点で私は、「ひとりフリーデスク」を実践していました。 社員の要望に応じて簡単なツールやシステムを作るような仕事をしている仕事柄、当時広い拠点の中で要望や要件を持ち込んでくる人たちの近くに居た方が、都合が良いことが多か

耳を塞がないシリーズ SONY LinkBuds WF-900L/ambie AM-TW01

   COVID-19が発端となった緊急事態宣言後、在宅でのWeb会議や電話での通話が多くなったことから、耳を塞がないヘッドセットが注目されるようになりました。 そんなことになる以前から、骨伝導の製品を持っており使ってもいましたが、一日中装着したままだと孫悟空の緊箍児(こんこじ)のように頭の締め付けを感じるとともに、少しずつズリ落ちてきて耳に当たるため、苦痛を感じるようになってきました。 最初はネックスピーカーを取り寄せ、これは首にかけておくだけで非常に楽ですが、相手の音声が全て漏れてしまうため、窓を閉めている冬場は良いのですが、隣と近いため仕事上あまり外に漏れては困るような会話をする際には向きません。しかしこれはいまでも一番よく使っていたりします。 次にネットで色々調べてみたところ、ambieからイヤーカフタイプの物が何種類か販売されていることを知り、早速有線タイプを取り寄せて使ってみました。 これは音質が特に良いという訳ではありませんでしたが、耳を塞がずに通話ができ、線を繋ぎ変えればPCでも携帯電話でも使える点が重宝しました。 しかし、有線接続に煩わしさや不便さを感じるようになり、ambie AM-BT01を取り寄せて使ってみたところ、マルチポイントモードでも使えることが分かり試してみました。 製品自体はすごく良かったのですが、マイク位置の問題で厚着をして首周りが開いていない状態だと、自分の声を拾い辛いらしく声が聞き取りにくいと通話する相手に言われてしまいました。 一日中自宅で暖房をガンガン利かせながら仕事をしていても、職場から光熱費が支給される訳ではありませんので、冬場は厚着をして足元だけを温めながら仕事をしています。夏も当然エアコンはそんなに使えません。このためこれも常時利用は諦めざるを得ませんでした。 マルチポイント(2台同時接続)機能は非常に便利で、プライベート携帯と職場の携帯の両方を接続したままにできます。プライベート携帯から何らかの音楽を流し、職場の携帯が鳴ればそのまま受けることができます。しかし通話中に無駄に接続が切り替わる動作を繰り返し、耳元でそのシグナルが耳障りになることが多く、マルチポイントの設定も解除することにしました。 ちなみに他にもマルチポイント機能を持った製品を使ってみましたが、今のところ皆同じように無駄に接続切り替えのシグナルが鳴ら

稲葉稔 著 喜連川の風 江戸出府

  熊本出身、稲葉稔先生の作品です。 熊本出身だからなのか、肥後細川藩と宇土細川藩の騒動が主体に書かれたものなのかと思っていたら、栃木県の喜連川付近に実在した小藩が題材になっています。 しかし、実際に起こった騒動や実在の名君を織り交ぜ、趣向を凝らしたこの作品、留守居役の立場や考えが書かれているシーンがあるのですが、ここを読んでいた時に思い浮かんだのは、上田秀人先生の「百万石の留守居役」でした。 いや、それと同時に今のサラリーマンも同じで、素直に何か考え、作り、築き上げることが重要なのではなく、奸計をめぐらすような人間がのしあがるのは昔も今も変わりなく、だからこそこの国は良くならないのだな、そんなふうに感じてしまいました。 いや、この作品がどうこうというのではなく、世の中の良くないことって、昔も今も変わらないのだなと...