幕末の数十年に生きた官僚の生き様を描いた逸品です。
作者が描いた通りの人物であれば、官僚の鏡なのでしょうが、サラリーマンとしてもそうなのかもしれません。
確かに真面目で正直な方だとは思いますが、そのことが組織に仕える者として本当に良いのかというと、若干の疑問を感じます。
上司に恵まれたのかそうでなかったのか、その点で見ると出世という面では真面目だからこそ出世されたのだと思いますが、上司には恵まれなかったのではないかと思います。
昔も今も、上司となる人間は優れているらというよりも「狡賢い」人間が多いように思えます。自分の周囲しかわかりませんが、日本の組織を見ているとそう感じざるを得ません。
しかし自分で起業される方はまた別の面を持ち合わせていらっしゃるので、これには全てが含まれるわけではないような気もします。
ただまぁ、物語としては逸品と言えると思いますし、宮仕えする身としては非常に参考になるのではないかと(笑)。
いや本当に面白かったです。