映画化もされた、あの「図書館戦争」を紡いだ有川浩先生の逸品です。
2019年2月にペンネームを改名され、「有川ひろ」とされています。(お恥ずかしい。たった今知りました)
多分作風的には男性よりも女性の方が読者層が多いのではないかと思います。
実はこのBlogを書くために少し調べて初めて知ったのですが、私はこの方をずっと男性の作家さんだと思っていました。
小説にこういう表現が当てはまるのかわかりませんが、この方の作品はタッチがすごく優しく、エッチなシーンをサラっと書いているかと思えば、人のココロの奥底をかなり深く掘り下げていたりするところから、今までずっと心優しい男性作家さんだと思っていました。
非常に申し訳ないことです。ハイ。
この方の作品はあまりたくさん読んだことはないのですが、今まで読んだ作品は、どれも作風が優しくて結構好きです。
この作品の巻末にある解説にも書かれていましたが、この方がデビューした頃から、作品とそのジャンルの価値観が変わってきたらしく、多様化して従来の分析がなり立たなくなったとのことです。
その小説や作家を囲むジャンルに価値があるのではなく、その小説や作家が純粋に面白いか否かを問われるようになってきたそうです。
いやそれが普通なのでは?と思うのは私自身も変わっているからなのでしょうか。
面白いと感じ、そして読んで面白ければ同じ方の作品を手に取ってみる。その繰り返しです。
私は子供の頃からジャンルや時代に拘って読んだ記憶があまりありません。SFも読みますし、時代も時代劇や現代を題材にした作品に絞らず、推理小説や刑事物、アクションも自分が面白そうと感じたものであれば、手に取って興味を持てば読んでいます。
それが面白いと感じるか否かは、「読み手の問題」です。読み手が面白くないと感じても、書かれた方の作品のどこかに悪いところがあるわけではなく、単に自分に合わなかっただけのことですし、同じ作家先生の他の作品が面白いと感じることも多々あります。しかし書き手や出版社からすると、「何故売れないのだ」と煩悶するのではないかと思います。だからと言って、読み手に迎合するような作品になっていくと、その方の作品は...とはいえ人は皆、霞を食べて生きているわけではないので、やはり本は売れた方が良いですし、読み手も書いていただかないと読む作品がなくなってしまう。
書かれた作品に批判しかしない方の多くは、その辺りの視野が狭すぎるのでしょうねぇ。
あ、肝心の作品ですが、私は面白いと思いました。
この作品は、「さやか」が「イツキ」を拾うところから物語がスタートします。
だからと言って、最近のアニメ作品などにありがちな破茶滅茶な内容ではないですし、逆に重い内容でもない。しかしどこかに作者が目指す道があって、そこに向かって爽やかに書き記されているようなイメージでしょうか。若干ラブコメ感がありますが、そこも素敵です。
私は読む速度が早くはないので、本を選ぶ際かなり悩みます。どれも読みたいのですが、人は持てる時間に限りがある、そんなわけで自分が読書に使える時間、本を読もう!と思った時に読めるものを手に取ってサッと覗いて感じ、「エイっ」と数冊抱えて買って帰ります。
その場ではわかりませんが、一度書店に行くと、目的があって行っても軽く30分から1時間程度はかかります。これはホームセンターも同じです。PCショップや電気屋さんは帰りたくなくなるので、最近は避けるようにしています...